1.「防衛省元年」どこに向かう自衛隊@ (赤旗より2007年1月8日から連載)
90式戦車と空挺部隊の降下訓練
戦争支援のべ2万人
インド洋とイラクヘ派兵された自衛隊員はこれまでに、のべ約二万人にのぼり、その関連経費として総額約1400億円もの国民の税金が注ぎ込まれている。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に対し、防衛庁が明らかにしました。
これは、自衛隊の主な海外活動への派遣隊員数全体の約71%、経費では約75%にあたります。(下表による)
これらの海外活動は、2006年12月に国会で成立した「防衛省」法で自衛隊の本来任務 (主要任務)になりました。
世界有数の力
イラクとインド洋での活動は、米軍の戦争に対する海外での軍事支援です。
自衛隊の本来任務とされたのは、実態としては「海外での米軍戦争支援」にほかなりません。憲法九条の下で建前とされてきた「専守防衛」の自衛隊から、本格的な「海外派兵型」への大転換です。
自民党・公明党の与党と民主党は、海外での米軍支援を可能にするため、「防衛省」法が国会で採決された際、「装備品や人員の配置等について適切な整備を行うこと」を求めた付帯決議を可決しました。日本共産党は反対しました。
注ぎ込まれる国民の税金
注ぎ込まれる国民の税金は、インド洋とイラクへの派兵関連で費やした1400億円、ではすまない規模になることは確実です。
すでに自衛隊は、予算でも装備でも世界で有数の軍隊です。防衛庁発足時に比べ、軍事費は約36倍に膨れ上がり、2007年度予算案では4兆8016億円に達します。
海上自衛隊の元高級幹部は指摘します。
「自衛隊の装備などの実力は、トップクラスです。海上自衛隊は各国海軍の中で、米軍に次ぐ実力を持っているといっても過言ではない。
これまでの『防衛庁』という呼称も、みずからを小さく見せる一つの方便だったといえる」
東アジアに波紋
「防衛省」法によって、世界でも「トップクラス」の軍事力が海外に本格的に向けられ、そのための経費・人員も、さらに拡大する危険があるのです。
同法について韓国紙は社説で指摘しました。「防衛省への昇格をただならぬ事と見る理由は、今後の日本の防衛政策の一大転換を予告している。専守防衛と非核三原則など、戦後の防衛政策の根幹を成してきた原則が修正される余地がある。
日本は『普通の国』に進む道だというが、すべて東アジア情勢に波紋を起こしうる敏感な問題である」 ( 京郷新聞、2006年12月2日付 )
「防衛省」が九日に正式発足します。自衛隊はどう変えられようとしているのか。
どんな矛盾に直面しているのか。その実態を追います。( つづく )
自衛隊の海外活動実績
1.インド洋派兵関連
経費 約523億円
海自 約10000人
空自 約2560人(米軍物資の輸送活動の人員を含む)
2.イラク派兵関連
経費851億円
陸自 約5700人
海自 約330人
空自 約2010人
3.PKO活動(国連平和維持活動)・・・ゴラン高原監視・東チモール監視など
経費 約432億円
合計 5419人
4.国際緊急援助関連・・インド洋大地震援助など
経費 29億円
合計 3092人
☆出所は、防衛庁が日本共産党赤嶺議員へ提出した資料による。
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2.「防衛省元年」どこに向かう自衛隊A
海外派兵の仕上げ
「国際社会が海上自衛隊をテロ撲滅のために戦う海軍として認めた」「米軍への支援を通じ、日米同盟の深化に寄与した」決まり文句が繰り返されます。
2001年12月以来、「対テロ」作戦に従事する米軍艦船などへの給油活動のため、インド洋に派遣されている海上自衛隊部隊が、交代のたびに提出する報告書です。
イラクで米軍などへの空輸支援を継続している航空自衛隊のC130輸送機のパイロットは「絶対に被弾を回避すると思いながら操縦かんを握っていました。」と戦地での経験を誇っています。 (2006年版防衛白書)
自衛隊の任務を格上げ
自衛隊がこう胸を張るインド洋やイラクへの派兵。「防衛省」法では、自衛隊の本来任務 (主要任務)に格上げされました。そうした下で自衛隊の装備・部隊はどうなるのか。
日本政府は、2004年12月に決定した「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」に基づいて進めてきた「海外派兵型」への転換をさらに推し進めようとしています。 ( 下表による )
陸上自衛隊海外派兵すべての計画・訓練・指揮を一元的に実施する中央即応集団司令部、緊急の海外派兵に対応するための中央即応連隊などを新設し、30日以内の派兵を可能にする態勢を目指しています。
これまでに10個ある師団のすべてがイラクへの派兵を経験しました。
イラク帰りやアフガニスタン帰りの米軍部隊との共同訓練も常態化しています。
海上声衛隊の強化
従来艦の規模・能力を大きく上回る輸送艦(おおすみ型)や補給艦(ましゅう型)をすでに装備しました。
これらの艦艇を使用して、イラクに陸上自衛隊の車両を輸送したり、インド洋での給油活動を行っています。
海外での活動を想定し、ヘリ空母と言われる大型のヘリ搭載護衛艦の導入も決めています。
航空自衛隊の強化
戦闘機などの航続距離を飛躍的に伸ばす空中給油機 KC767 の導入を決定しました。
イラクで空輸支援を行っている C130輸送機へ空中給油機能の付加や次期輸送機 CX の開発なども計画しています。
自衛隊の装備強化計画
「防衛計画の大綱」はこれらの装備の導入などに加え「自衛隊の任務における国際平和協力活動の適切な
位置付けを含め所要の体制を整える」としていました。海外派兵の本来任務化は、その「最後の仕上げ」なのです。
「軍事技術の見通しは8割方当たるが、戦略の方の確率は半分ぐらいだ」。自衛隊の将来体制を検討してきた
陸自OBはこう言います。
自衛隊の「海外派兵型」軍隊への転換は、ブッシュ米政権の先制攻撃戦略に付き従ったものです。
しかし、イラクの「内戦化」が示すように、ブッシュ戦略は無残な破たんに陥りました。
それでも、自衛隊では「海外派兵型」装備の調達や部隊の再編成はこれからも続きます。政府はイラクでも
インド洋でも「撤退」を言い出せず、派兵の継続に固執しています。 ( つづく )
自衛隊の主な海外派兵能力の強化計画
1.陸上自衛隊
 
対戦ヘリコプター 多連装ミサイルシステム
中央即応集団司令部を3月までに創設する。(東京、埼玉・朝霞)
中央即応連隊と国際教育隊を整備する。(栃木・宇都宮、静岡・駒門)
輸送ヘリCH−47Jの砂漠仕様を改修する。
2.海上自衛隊
 
「ましゅう型」補給艦 「おおすみ型」輸送艦
「おおすみ型」輸送艦3隻、「ましゅう型」補給艦2隻を配備済みです。
新たにヘリ搭載護衛艦4隻を計画中です。
このうち1隻は建造中、もう一隻を予算要求中です。
3.航空自衛隊

C130H輸送機
C130輸送機の空中給油機機能を追加する。
「イラク仕様」へC130輸送機を改修済みです。
KC767空中給油機8機を計画中です。1機は2007年3月に配備済みです。
次期輸送機CXを24機計画中です。
4.統合幕僚監部
派兵部隊支援のための通信衛星指令システムを導入する。
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3.「防衛省元年」どこに向かう自衛隊B
 
「海外で武力行使」の道
「戦後レジーム ( 体制 )から脱却し、新たな国づくりを行うための基礎、大きな第一歩となる」
安倍晋三首相は1月9日の「防衛省」発足式典で、こう訓示しました。
「戦後レジームかちの脱却」とは、「憲法改正に取り組む」(1月1日の自民党総裁所感 )ことです。
自衛隊の元高級幹部も、こう語ります。「省になれば、次は自衛隊は『自衛隊』でいいのかが問われてくる。憲法改正も視野に入れないといけない」
安倍首相は、1月9日の訓示で「国際社会の平和に取り組むわが国の姿勢を明確にできた」と強調しました。
その内実は、昨年11月の日米首脳会談で「日米同盟を地域と世界の平和、安定のために活用する」と言っていました。
日米両政府が現在推進している在日米軍再編は、地球規模での日米軍事協力を「同盟の重要な要素」と位置付けています。改憲で狙われているのは、「米軍とともに海外で戦争ができる国づくり」です。
改憲の前にも
一方、改憲への世論の批判が強いなか、政府の憲法解釈を変更し、その前にも、海外での武力行使を可能にする動きも強まっています。
安倍首相は、1月4日の年頭会見で「国際社会において平和に貢献していくため、時代に合った安全保障のための法的基盤を再構築する」として、集団的自衛権の行使に向けた研究を挙げました。
自民党はすでに、「防衛省」法の成立直後の昨年12月20日、防衛政策検討小委員会で、
集団的自衛権の行使を可能にする「安全保障基本法」の検討を開始しています。
この法律は、日本が攻撃されていなくても、他国に軍事介入する米国が攻撃を受ければ、武力をもって参戦できるようにするものです。
同時にこの委員会は、自衛隊の海外派兵を地球規模でいつでも可能にする恒久法の原案もまとめています。
イラクやインド洋派兵の根拠となっている法律は、いずれも期限が限られた特措法です。その「制約」を取り払うのが狙いです。
しかも原案は、自衛隊が海外で治安維持活動を実施することを容認しています。
イラクで米軍が展開しているような「テロ掃討作戦」への参加にも道を開くものです。
敵基地攻撃も
自民党の国防族議員は「イラク特措法は、7月で期限切れ。テロ特措法は10月で切れる。また延長したら、特措法とはいえない。
今度の延長のときには、今後の見通しを示す必要がある」と語り、派兵恒久法案の国会提出に向け、党内手続きを急ぐ構えです。
海外での武力行使を可能にする動きは、法制面だけではありません。
自民党や民主党内では、敵基地攻撃能力の保有を求める声が公然とあがっています。
「防衛省」法の国会審議の中では、北朝鮮による核実験を口実に、巡航ミサイルの保有や特殊部隊を潜入させてミサイル基地を破壊する能力の保有まで求めました。
安倍首相は官房長官時代、敵基地攻撃能力の保有について昨年7月に「常に検討、研究を行うことは必要ではないか」との考えを示しています。( つづく )
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4.「防衛省元年」どこに向かう自衛隊C
 
米戦略の破たんの中で
「防衛省」法が昨年12月成立した直後、防衛庁幹部がこんな「疑問」を語っていました。
「アメリカはイラクであれだけの手痛い失敗をした。海外活動が本来任務化されたといっても、どこに自衛隊がいく場所があるというのか」
海外派兵の本来任務化は、ブッシュ米政権の先制攻撃戦略に呼応した動きでした。
海外派兵の本来任務の方針を打ち出した新「防衛計画の大綱」 (2004年) の策定作業は、石破茂防衛庁長官のもとで「日米が完全に歩調を一致」させて行われました。
しかし、先制攻撃戦略の発動として強行されたイラクへの侵略戦争に続く軍事支配は、出口の見えない泥沼状態です。
昨年11月の米中間選挙では、ブッシュ与党の共和党が敗北し、ラムズフェルド米国防長官の更迭を余儀なくされました。
日本政府がイラク戦争を支持したことについて、昨年12月久間章生防衛相まで「そういう支持の気持ちはない。もう少し良い方法があったのではないか」と釈明する状況です。
異常さ際立つ
自民党の舛添要・参院政審会長がいいます。「臨検(船舶への立ち入り検査)をやっている米海軍に発砲が始まれば、 自衛隊が何もしないで済むのか。新しい時代に即した憲法を!」
自民党の愛知治郎・参院議員はいいます。「北朝鮮がミサイルを今にも撃とうというとき、そのミサイルを破壊する選択肢も検討しなければならない」
民主党の浅尾慶一郎・参院議員もいいます。「臨検にわが国は参加しないというのは、国際社会で適用しない」
昨年10月の北朝鮮による核実験直後の国会では、自民党と民主党の一部議員から「軍事制裁」を前提とする要求が相次ぎました。
これには、昨年7月ライス米国務長官も「米国はこの危機をエスカレートすることを望んでいない」と暗に懸念を表明しました。国際社会が一致して平和的外交的解決を目指している中、軍事対応に熱中す海る異常さを際立たせた形になりました。
それでも政府・与党は、「防衛省」発足後の課題として、明文改憲や、集団的自衛権の行使を可能とする政府の憲法解釈の変更をあくまで推進する方針です。
派兵恒久法については、通常国会中にもその具体化を目指す動きがあります。
世論との矛盾
しかし、ある政府高官は「政治の決断さえあれば、1〜2週間あれば、法案化ができる」としつつも、, 疑問も隠しません。「米国はイラクで泥沼に陥っている。野党から「恒久法でイラク戦争のような戦争でも支援するのか」と追及されたら、答弁では『そうだ』としかいいかようがない。それで本当に いいのか」
昨年12月、海外活動を本来任務とする「防衛省」法について問うたNHK の世論調査では、反対が31%。賛成の25%を上回りました。
前出の防衛庁幹部は「国民の中で、おどろおどろしく感じる人が、これだけいるのかと思った」と語ります。
海外派兵の拡大・強化路線には、平和を求める国民の声が立ちはだかっています。
( おわり )
(この連載は田中一郎、竹下岳が担当しました。)
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5.2007年1月9日 久間防衛大臣会見の概要(防衛省より)
 
久間防衛大臣の会見 来賓:中曽根 元総理大臣
1 発表事項
今日の防衛省への移行に際しての防衛大臣の談話として、一言申し上げたいと思います。
本日、防衛庁は「防衛省」になりました。初代防衛大臣を拝命し、今後私は、国の防衛に関する主任の大臣として、最高指揮官である安倍内閣総理大臣のもとに、自衛隊を統括していくことになります。
防衛省・自衛隊は、未来に向けた確かな安全保障のため、新しい歴史を切り拓いてまいります。近年、自衛隊の任務は、我が国の防衛のみならず、国内外での災害対応や、国際平和協力などに拡大し、実際の活動も飛躍的に増加しています。阪神・淡路大震災以降、実に延べ約273万人の自衛隊員が災害派遣に従事するとともに、海外においても、約20回に亘り約3万人の自衛隊員がPKOなどの国際平和協力活動に従事してきました。
今般の防衛省への移行は、その役割が国政の中で重要性を増してきたことに加え、こうした取り組みを通じて、自衛隊への国民の理解と信頼が高まった結果であると認識しております。防衛庁を省とすることは、「国の防衛」という国家として最も基本的な任務を担う行政組織が、真に防衛政策を担っていく上で、大きな意義を有するものであると考えます。
また、省移行及び国際平和協力活動等を本来任務化することにより、国の防衛と国際平和に対して我が国が積極的に取り組んで行くことを、国内外に明確に示すとともに、厳しい環境下で活動する隊員が一層の自覚と誇りをもって職務に専念し得ると考えます。
本日、私は、全国の隊員に対し、名実ともに政策官庁への脱皮が必要であること、一層厳格な規律の保持を図っていく必要があること、自衛隊の良き伝統を維持していく必要があることなどを訓示いたしました。全隊員、国民の期待に応え得るように、省移行を機に一層気を引き締めて、中央において、現場において、あるいは世界各地において、更に一丸となって職務に邁進する所存です。
また、これまで明言してきたとおり、「専守防衛」、「節度ある防衛力の整備」、「海外派兵の禁止」、「非核3原則」、「軍事大国とならない」といった防衛政策の基本は、省移行により変わるものではなく、シビリアン・コントロールは、引き続きこれを堅持致します。
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案や核実験実施の発表など、我が国周辺の安全保障環境は引き続き厳しいものがあります。防衛省の誕生は決してゴールではなく、新たなる政策課題へのスタートであり、防衛省は、在日米軍再編や弾道ミサイル防衛、組織改編、国際平和協力活動への取組みなど様々な課題に、今後一層積極的に取り組んでまいる所存であります。我が国及び国民の未来のため、世界の平和と安定のため、防衛省・自衛隊は全力を尽くしてまいります。平成19年1月9日。以上が防衛大臣としての談話であります。
2 質疑応答
Q: 最初に省移行の実現に当たり、今の率直な思いを簡潔にお願いします。
A: 非常に長い間の熱望が実を結んだということで、ほっとしているという気持ちといよいよ政策官庁として国の安全・独立という問題にどこまでやれるのかという、ある意味では不安というか、本当に皆さんの期待に応えていけるのか、私を含めてみんなが頑張らないといけないという不安がないかと言えば、ないわけではありません。やはりこれから先、そういう意味で気を引き締めていかなければいけないという複雑な思いで臨んでいます。
Q: 政策官庁に脱皮というお話がありましたが、特に最優先で取り組みたい課題はどういったものでしょうか。
A: そんなに気張らないで、省に移行したからと言ってすぐにやるわけではありませんが、やはり現在、我が国を取り巻いている状況の中で、これから先、人によっても官庁によっても色々考え方が違うかもしれませんが、私の場合は各国と胸襟を開いて、平和が1番いいんだということをお互いがもっと深い所から理解し合うというようなことを強く訴えていきたいと思っております。やはり疑心暗鬼になったり、猜疑心が残りますと、どうしても向こうは隠れて何かやっているのではないかというように、ちょうど今のアメリカと北朝鮮のように、話がついても核実験を着々と進めていたではないか、騙されたのではないかという思いがアメリカに強いのと同じように、やはりもう少しオープンにしていく事が本当は1番大事だという思いがします。そのような形でこれから先も交流を深めていきたいという思いが強いです。
Q: 具体的な政策課題としては、北朝鮮問題などでしょうか。
A: 北朝鮮問題は日本だけではどうすることも出来ませんから、6ヶ国あるいは国連各国と強調しながら、強く主張するところは主張しながらやっていかざるを得ません。それはどちらかというと外務省が中心となってやると思いますから、私たちは監視、あるいは情報の収集を、これまで以上に的確にやっていく、そういうことに努めたいと思います。ただ米軍再編の問題等について、これは具体的にアメリカと日本の関係でありますから、これは決めた事を着実にやることによって日米の信頼関係を形作るということが大事だと思っています。そういう観点から、私の仕事はもっぱらそのために就任したようなものですから、防衛庁が省になりましたけれども、それは前内閣から法案として出していたわけですので、米軍再編問題には取り組んでいきたいと思っております。
Q: 一方で、自衛隊の海外派遣が本来任務化された事もあり、シビリアン・コントロールが機能するのかといった懸念が国民の間にもあると思うのですが、そういった事についてどの様にお考えでしょうか。
A: それは心配いらないと思います。自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣であり、その指揮官の下で、私が自衛隊を統括している、その仕組み自体はきちっとしているわけであります。これまで戦後の自衛隊発足以来、今日までの過程を見てみても変わりません。これから先の防衛庁が省に移行したから、あるいは本来任務化されたからといって、海外での活動等が一人歩きするような事はありません。しかもこれは法律に基づいて、海外に出かけるわけですから、仮に恒久法が出来たとしても、その法律に基づいて出て行く形に変わりは無いわけです。
Q: 先ほど政策官庁ということを強調されていましたが、外務省との役割分担というのは具体的に、どういうイメージで分けているのでしょうか。また、対米関係あるいは安全保障関係だから係わる等、あると思うのですが。
A: 対米関係とか条約関係とか、そういうのは本来外務省マターで、外務省でやられるのでしょうけれども、我が国の平和と安全の環境作りという点では防衛省がやはり、もう少し表に出て色々と考えて、提案していくというケースも出てくるのではないかと思います。例えば、在日米軍の運用の問題というのは、法律上は外務省マターであろうと思います。しかし、そうは言っても、何かそれが非常に危険を伴うような場合、あるいはもう少し、これはこうした方が良いと言うような提言をする場合は、外務省というよりは防衛省として、国防総省と話をするという、そういうケースは増えてくるのではないでしょうか。
Q: 恒久法制定の必要性については、どの様にお考えでしょうか。
A: 恒久法という事よりも、「どういう業務のために行くのか」という業務内容を先に決める必要があると思います。恒久法の作り方が問題だと思うのです。何でもやれる様な法律というのは出来ないわけだから、どういう業務をするのか、その時に現在の自衛隊の、例えば武器使用の在り方とか、あるいは任務とかそういうことからいって、どこまでやれるのかどうか等、業務をまず決める必要があると思います。それと同時に、どういう時に出て行くのか。国連決議がある場合に限るのか、国連決議に限られなくてもやるようなケースがどれだけあるのか。災害以外にどの様なものがあるのか。そういう内容をまず整理しないと、私は恒久法、恒久法と簡単に言いますけれども、抽象的な恒久法では、議論が進まないと思います。
Q: 今国会でそれが議論になるということは。
A: 私はまだ、そこまでは至っていないと思います。ただ、業務内容等については、特にPKOでもそうですが、防衛省の法律ではないわけです。内閣としての法律になっていますから、これから先、恒久法を作るにしても、あるいは業務内容を決めるにしても、自衛隊をそれに使うか使わないかを決めるにしても、それはやはり内閣全体として決めていくわけです。今内閣において、そういう業務内容等についての検討を始めたということは聞いていますが、そこまで議論がまだ煮詰まっていないのではないでしょうか。予算編成が終わって、予算案が国会に提出されて、審議をし、それに関係する法案を審議するだけで、また7月には参議院選挙がありますから、時間的にもかなり制約されていますから、それまでに国会に法案が出されるかどうか、私はそう簡単には出来ないのではないかと思っています。しかしそれはまた防衛省ではなくて、内閣としての話ですから、間に合えばそれに超したことはありませんけれども、他の方について私がとやかく言う立場にはありません。
Q: 普天間飛行場の滑走路の話ですが、代替施設の政府案、V字型滑走路案ですが、一部修正もあり得るという、修正を示唆するような発言があったという報道もあるのですが。
A: 私の真意がどうも伝わっていないと思っているのですが、要するにこれについては、アメリカの政府と日本政府ですが、特にアメリカの国防総省といいますか、現地の部隊の運用とか、そうしたものの合意も必要ですが、埋め立てにしても沖縄県が埋め立て権の権限を持っています。だから沖縄県が判断する場合についても、地元の名護市等の市町村が、集落の上を飛んでもらっては困るというような、いろんな話があるわけです。そういう意味で関係者の意見をまず合わせなければならないのです。過去の話ですが、政府同士で合意したからと言って、それが実現しなかったという事を皆知るべきです。それを知らずに政府同士が同意すれば、それで「びた一文」もまけずにやれると思ってしまう人がいるとすれば、そういう人達は頭が固すぎると言っているのであって、政府は基本計画も出して「ロードマップ」も決めているわけですから、それが基本であるという事には変わりありません。けれども、やはり3者が腹を合わせて、前へこうしてやりましょうということが決まらなければならない。その点を大事にしてもらいたいという思いの中から今般、仲井真知事が誕生したのですから、仲井真さんが言っている事について、合理性があるのか、ないのかを聞く度量を持たなければならないという事を言いたかったわけであります。
Q: 仮に県の方から、こういった案がいいというような対案が示されれば、その中で柔軟に対応する準備があるという事ですか。
A: 示されればです。しかし、それが示されるかどうか、また仲井真さんがそれを言うだけの事をなさるのかどうか、それは分かりません。言ったらそれでやりましょうと皆がなってしまった時に、責任を県がかぶる格好になるでしょう。だから、この問題はそういう点で非常に難しいのです。皆様方は、アメリカの事務当局も含めて、非常に短絡的に「こう決めたのだから、これでいけ。」というようなものではないという事を、地元の市町村も含めて、4者の意見を上手に調整しながら、皆で「さあ、これでやりましょう。」という雰囲気を早く作る事が大事だという事を言いたいわけであります。
Q: 今朝、米軍の原子力潜水艦と日本の民間タンカーがアラビア海で接触したという情報がありますが、何か防衛省の方に情報はありますか。
A: 事実の連絡は有りました。
Q: 怪我人の有無等はどうでしょうか。
A: ありません。また、これは防衛省のマターではありません。国交省なり外国の話です。ぶつけられた方は日本のタンカーであったという点では、日本に関係のある話です。
Q: 被害の程度等についてはでうでしょうか。
A: 分かりません。
Q: 今月下旬にも開かれるという、アメリカとの「2+2」の見通しはどうでしょうか。
A: 難しいような話もきております。開けるのかどうか、特に「2+2」となると4人の日程が一致しなければなりませんから、なかなかそういうような状況ではないのではないかというニュアンスの方が強いようです。
Q: 1月25日の国会の開催までは難しいような状況ですか。
A: まだ正式には「NO」とは言っていませんが、難しいというようなニュアンスは受けております。
Q: その次の2月の連休中にという話はどうですか。
A: 先の話ですから、それは分かりません。まず、日本で言う明後日ですか、アメリカがイラク政策について発表するでしょう。今はそういった取りまとめ等で忙しいのではないでしょうか。
Q: これまで、大臣は参事官制度の見直しについて発言されてこられましたが、改めてご所見をお聞かせ下さい。
A: これも法律を改正しようとすると、今までずっと続いている制度に響いてくることでもありますし、今直ちに法律改正をするだけの準備もできていません。ただ参事官制度というのは、今日の中曽根さんの話ではないですけれど、制定にあたってシビリアン・コントロールという観点から、ああいう形で取り入れた、それが「局長であること」という形でずっと法律上も書かれている。そういうのが良いのかどうか、もう50年を経てきた今日にその制度について、従来のままで行きますというのが果たして良いのかなという思いはあります。検討はしていこうと思いますが、これも制度を変えることになりますから直ぐにそれを今国会で取り上げる程、簡単には行かないのではないかなと思っています。
Q: 話は変わるのですが、昨日、地元の方で国見高校の小嶺監督の参院選出馬に関して・・・。
A: 防衛大臣としての立場でなく、私個人の国会議員としての立場から言わせてもらうと、小嶺さんもサッカーの監督として、またその後は監督であると同時に教頭、校長として国見高校を引っ張ってこられました。そして国見の生徒達をサッカーを中心として、教育効果を上げられたと思っております。この度、定年退職を迎えられたので、今度は違ったところから教育の問題に取り組んでもらえないかと思っています。正直言って、国会議員の中でも文教政策を色々と語る人はいますが、本当に不登校の生徒、あるいはいじめなど、そういう現場で指導に当たったり、そうした生徒を引っ張ってきた国会議員というのは少ないと思います。だから、やはりそういう人が衆議院というのは慌しいですから、特に参議院のような長いタイムスパンの中で、ゆっくり皆に語りかけて政策を引っ張ってもらえるような人が出てきてもらうのが、大変心強いということを御本人に言いましたところ、本人もとにかく前向きに検討しますという返事を今のところもらっている段階です。まだ、出るというようなことの結論を得たわけではありません。
Q: 向こうは前向きに検討するというようなことを。
A: そういうふうに言われました。
Q: 年末に行政改革担当大臣であった佐田さんが辞められたり、その後、魚住参議院議員や末松参議院議員の政治資金の関係で収支報告書に記載漏れが出たり、今日も衛藤元防衛庁長官の秘書の関係ですが、不透明な政治資金集めが記事になっていましたけれども、改めて政治とお金の問題について、どのように思っていらっしゃるか、お聞かせください。
A: 中身は知りませんから、他人のことについてコメントする立場にないので、その辺は私としては色々と言えません。例えば松岡先生の場合、一部報道では秘書がと書いていますが、松岡先生は秘書と言っておらず、後援者と言っています。松岡大臣は秘書という言葉を1回も使っておられないから、そういうことからして、それぞれの認識が全然違っているのではないかなという気もします。その辺は他人のことについて、コメントできないのです。
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