1.情勢
2006年5月26日、国民投票法案が国会に提出されて、継続審議になっています。
9月26日 安部総理就任により、臨時国会で国民投票法案の成立を与党が狙っています。
憲法改正手続きの与党案・民主党案に関する意見書を日本弁護士会が発表しました。
2.改憲のための手続法
(1) 改憲のねらい
@「戦争をする国」 l こするための改憲をねらっている。
自民党新憲法草案〈2005/11/22〉では、九条2項を削除して、自衛「軍」を明示する。
また、集団的自衛権を容認する。米軍と一体となって海外派兵ヘ行く事を狙っている。
A基本的人権を奪い、人間らしく生きる権利を侵害して、「弱肉強食の格差社会」を
拡大させるため。
※憲法96条が定める憲法の改正は、現憲法の基本原理を否定するような改憲を認め
るものではない。〈憲法改正権の限界といいます。〉
(2) 改憲論議と切り離すことができない国民投票法案について
ます改憲論の一環として浮上してきた。改憲のために不可避の段取りだからこそ、
今、登場している。
(3) 国民投票法の成立と同時に改憲発議案の審議をスタートさせる。
・国会法改正憲法審査会を両院に設置する。〈公布後の最初の国会召集白からスタート〉
・改憲憲法原案の審議と作成が可能になる。国会閉会中でも審議が可能です。
提案権もあります。
この国民投票法案が成立しだい次の国会から憲法改正の審議が開始されることとなる。
3 国民投票法の内容と問題点について
これは、改憲必勝法案だ !!
・単なる手続法案ではありません。手段が目的に規定されています。
改憲派に有利な不公正な法案です。
・国民主権に反する内容になっています。
本来なら、国民主権の原則に則って、@できるだけ広範な意見の反映する。A自由かつ十
分な投票運動の保障する。B中立公正な情報を提供する。C投票結果への国民の意思の正 確な反映を行う。D投 票に暇庇がある揚合は、適切な司法的教済手続の確保が必要です。
しかし、法案は国民の声を封じて、情報や宣伝を不公正または不平等なものにして、
国民の意思形成を歪めるものとなっているます。
(1) 広汎な国民投票運動規制
@公務員・教員の地位利用による運動規制と罰則について
これは、700万人の公務員や教員を足止めする事になります。
公職選挙法と類似の運動規制があります。
特定公務員〈選挙管理員会の委員、職員+裁判官、検察官、警察官〉の運動を全面禁止
〈法案103条) 、公務員、教育者の「地位利用による」運動禁止〈法案104条・と105条〉
公務員・教育者の運動規制では、公務員は「禁固2年以下又は30万円以下」、
教育者は「禁固1年以下又は30万円以下」、
特定公務員は「禁固 6 か月以下又は30万円以下」の刑罰があります。
本来、中立性確保の要請が高いはずの特定公務員より、公務員や教育者の方が重い刑罰に
なっている。
いかに、公務員、教育者の運動をおそれいるか。
また抑圧したいと考えているかの現れです。
A運動規制として機能する処罰規定について
・組織的多数人買収及び利害誘導罪 ( 法案109条、3年以下、 50万円以下 )においては、
犯罪構成要件が暖昧です。
弾圧に用いられる危険性があり、反対運動の萎縮効果を与える。
B弾圧との複合刻果
(2) 氾濫する改憲キャンページ
・マスコミ規制からマスコミ利用ヘ移行しました。
・マスコミ規制の批判に対応した形で、マスコミ規制を外した。
→これはマスコミを駆使して改憲宣伝を氾濫させるねらいがあります。
・改憲派・反対派について平等かつ充分な情報提供の制度的保障がない。
改憲派の情報だけが一方的かつ大量に国民に宣伝される仕組みになっている。
・憲法改正広報協議会・・・この協議会委員を国会の各会派の所属議員数に応じて割当てを
行っている。
憲法改正案の広報・説明会事務が不公平です。
@憲法改正案の解説について
賛成意見・反対意見を平等に扱っても、改正案の解説で改憲案を宣伝してしまう。
有権者への全員配布などの大量宣伝も野放しとなっている。
A改憲案について各地で説明会について
全国各地で改憲案のPRキャンペーンを行う。
政党仁対する無料の放送と新聞広告が不公平です。
・広報協議会が所属する各議員の数を踏まえ放送時間や掲載回数・寸法を決定すると、
賛成9、反対1の割合でテレビ・ラジオ・新聞に掲載される。
有料放送に制限がない。
マスコミ宣伝も「格差社会」になる。改憲派は政党助成金、企業献金、財界の後押しなどで、
新聞一面の意見広告を出せる。1回で3000万円かかる。
全国ネットの TV スポット広告では、3O秒4〜500万円かかる。
(3) ハードルは最も低く。
・国民の承認要件を有刻投票総数の過半数とする。
・最低投票率の規制がない。
(4) 発議後投票までの期間〈周知期間〉が短い
国会の発議から国民投票までの期間が 60日以降180日以内 ( 法案骨子では30日
以降90日以内〉と周知徹底の期間としてはあまりにも短い 。( 法案第2条)
(5) 一括投票の危険
憲法改正原案の発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとす
る。(法案151条、国会法68条の3)。
自民党の新憲法草案は一括して賛否を問うことも可能になっている。
(6) 限られた司法的救済
提訴期間が投票結果の告示の日から起算して30日以内と短い。
管轄裁判所が東京高等裁判所に限定されている。東京以外の地方では提訴できない。
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