福 生 市 民 九 条 の 会

はじめに・T第九条の構造と本質
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金子勝の紹介
1944年 愛知県に生まれる。
現在
立正大学法学部教授
憲法学・政治学・社会科学論専攻
趣味
漫画と落語
漫画も文化の一つと考えている。
斉藤隆介氏の民話『花さき山』が大好き。
著書
『社会科学の構造』勁草書房1986年
『日本国憲法の原理と「国家改造構想」』勁草書房1994年
『やさし憲法をお母さんへ』
 木村康子氏との対話、自治体研究者1998年
『社会科学の世界』勁草書房1999年
『おかあさんと語る教育基本法』
木村康子氏との対話、本の泉社2003年

『日本国憲法「第九条」の価値と自民党「新憲法草案」
-----「憲法の語り部」となるために-----』

はじめに

1.改憲運動の動向

 (1)自民党は、2005年11月22日「新憲法草案」を決定した。

 (2)民主党に「改憲」代表が生まれた。
   [A]2005年9月17日に前原誠司氏43歳が民主党代表に選出される。
   [B]前原氏は、第九条の第二項を削除すると明言した。(2005年9月21日)
   [C]2006年に憲法草案を決定するための「憲法提言」を2005年10月31日決定した。

 (3)衆議院に「日本国憲法に関する調査特別委員会」「憲法特別委員会」が設置された。
   (2005年9月22日)
   [委員長は中山太郎議員(自民党)]
   [A]改憲のための「国民投票法案」を審議する特別委員会。

   [B]「国民投票法」を制定する改憲へのカウントダウン化。

 (4)公明党は、「加憲」を行うため(2002年11月2日党大会で決定)
   2006年の秋に「加憲案」をまとめることを決定した。
   (2005年11月5日全国代表者会議)

 (5)自民党、公明党、民主党は、何れも日本国憲法「第九条」の廃棄を狙っている。

2.国民の意識--毎日新聞の「世間調査」

  2005年9月2日〜4日、全国4550人が対象-2418人の回答
  〈2005年10月5日毎日新聞〉


A 憲法改正 賛成--58% 男性62%、女性54%
反対--34% 男性33%、女性36%
B 第九条 変えるべきでない 62% 男性57%、女性67%
変えるべきだ    30% 男性38%、女性23%

3.国際社会では、自国の憲法の中に、日本国憲法「第九条」を取り入れよ
うという運動が台頭している。
T第九条の構造と本質

1.戦争は通常対立する当事者(国家、民族、部族、宗派、政治団体など)間の政治交渉
(話し合い外交)で問題が解決しないときに、その問題を武力で解決しようと
して始められる。(話し合いをしないで戦争が始められことは九分九厘ない。)従っ
て、戦争はそのすべてが「国際紛争」を解決する手段である。

2.「第一項」において「すべての戦争とすべてのその他の軍事活
動の放棄」している。

1.自衛戦争・侵略戦争・制裁戦争も放棄している。
2.合法的な「戦時国際法」に基づき、相手に戦争を行うことを通告して行う国権の戦争と
  非合法な相手に戦争を通告しないで行う国権の戦争も放棄している。
3.侵略戦争を導く要因となる侵略的な行為、「武力による威嚇」「武力の行使」も放棄して   いる。

<現在の日本国政府の考え方>
他国から攻撃を受けたら、反撃は当然だから、「国際紛争を解決する手段」としての戦争とは「侵略戦争」のことである。だから、「自衛戦争」はできる。
★「自衛戦争」とは「侵略戦争」を生み出す”打出の小槌”です。

どちらの考え方に賛成できますか?

3.「第二項」において、すべての戦争とすべての武力による威嚇(いかく)と武力の行使を
実行できないようにするため、
  「陸海空軍という戦力」と
 「その他の戦力」の保持を禁止している。
      ↓
  「戦力」とは戦争に用いることを第一義的目的に作られている一切の武装的人間集団と一
切の道具のことである。ここで戦力に純粋な警察は入らない。

  第二項で禁止している「戦力」の実態について
(1) 「陸海空軍の戦力」には、陸・海・空の三軍とその軍事施設がある。
(2) 「その他の戦力」には、軍需産業とその製品の武器・兵具がある。
(3) 「軍事教育や軍事研究」も、その他の戦力とされる。
(4) 「自衛隊」も、軍の名前や形をもたないが、三軍と同様な実力を有し、いつでも陸海空の三軍に転化できる武力組織であるため、その他の戦力である。
(5) 陸海空軍以外の軍隊は、その他の戦力である。
(6) 外国の軍隊とその軍事施設はその他の戦力です。(在日米軍など)
(7) 外国製の武器や傭兵などもその他の戦力です。

3.1 日本政府の言う「戦力」とは、「自衛のために必要な最小限度を超える実力である。」
    と説明している。またこの実力には基準はない。
      ↓
    それを超えないような実力は保持できる。
    自衛隊はそれを超えていない実力であるから合憲である。

    保持できない「戦力」とは日本の戦力のことで、外国の戦力は保持できる。
    在日米軍は憲法違反でない。最高裁判所も同じ立場である。

4.第二にすべての「戦争」とすべての「武力による威嚇(いかく)」と武力の行使」を実行で
きないようにするために「交戦権」を否認している。

 「交戦権」とは国家の「戦争権」のことである。
 「交戦権」には次の「開戦権」と「講和権」とがある。
 「交戦権」が有する国際上の権利として「攻撃権・占領地行政権・捕虜に対する権利・船舶
の臨検・拿捕権」を国家に与えていない。⇒これは日本政府も否認していると言っている。

つまり、第二項は国家の「武装権」と「戦争権」を否定している。

5.国家の「武装権」と「戦争権」は否定されているのだから、日本は「自衛権」と
「集団的自衛権」を放棄している。

 ここで、「自衛権」とは、武力をもって自国を防衛する国家の権利を言う。
 また、「集団的自衛権」とは、自国に無関係な同盟国に対する攻撃を共同で反撃する国家
の権利を言う。

6.「外交防衛権」による日本の防衛が日本国憲法の立場である。
  「外交防衛権」とは、外交で自国を防衛する国家の権利を言う。

7.国民の抵抗権は「自衛権」に含まれない。
    また、日本国憲法では国民の抵抗権を否定していない。
8.第九条の四つの源泉は次のとおりである。
「戦争放棄」の「源泉」である。 国家の自衛権と自衛戦争を放棄している。
「民主政治」の「源泉」である。 国家に軍隊と戦争が許されていない国家は、国民主権とそれに基づく民主主義や基本的人権や地方自治に徹底的に保障できる。
また、保障が足りないと国民は国家に要求を突きつける。
反対に、.国家に軍隊と戦争が許されている国家は、国民主権とそれに基づく民主主義や基本的人権や地方自治の国民への保障が手抜きできる。
自国と他国の真の「共生」の「源泉」である。 国家に軍隊と戦争が許されていない国家は、他の国と本当に仲良くしないとその国は存立できない。(大災害や飢饉の場合など)
国家に軍隊と戦争が許されている国家は、自分の国で不足するものは軍隊と戦争で奪えばよいから他の国と仲良くしなくてもよい。
人間と自然の「共存」の「源泉」である。 戦争と軍隊が自然を破壊し、戦争によって人間は動植物を食べてしまう。また、逃げたら危険といって殺してしまう。戦争と軍隊がなければ自然は安心して生存できる。

   <第九条があるから、自民党の悪政もこの程度にとどまっている。>

9.第九条のもとで初めて、子供、女性、老人、要支援者、病傷者、外国人、少数民族、動
物、植物は「安心して生きること」ができる。

10.第九条は、21世紀の世界の歴史方向の主流になっている。
      世界では、第九条を自国の憲法に取り入れようとする動きが台頭している。
11.第九条の支持に自信を持とう。

つづき U 自民党の改憲構想

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U 自民党の改憲構想
V 改憲の目的
W 憲法改悪反対の課題